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小説:月守神社の物語 ブログトップ
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月守神社の物語 ~エピローグ~ [小説:月守神社の物語]






 翌日、俺はいつも通り学校に行った。この間まで憂鬱で仕方なかったのに、今日はそうでもない。
「妖怪や!祟りに来よった!」
 一昨日ぶん殴った奴が、悲鳴みたいな声で叫ぶ。
「おはよ。」
 俺は自然にそう言った。相手の目が見開かれる。
「この前は悪かったよ。」
 自分でもビックリするくらい、あっさりと謝罪の言葉が出た。呆然と立ち尽くす相手の脇をすり抜け、自分の席に座る。机に書かれた罵詈雑言を消していると、クラスメイトたちが黙って消すのを手伝いに来た。その中には、さっきの奴もいた。
 学校は、地獄じゃなくなった。まだ一人で過ごす時間の方が長いけど、まぁ、これからだよな。
鈴のやつ、今日はどうしてるかな。今晩もまた、神社に行ってみようか。・・・いや、鈴と陸丸には、水入らずの時間が必要だよな。しばらくはそっとしておこう。






 夢を見た。
 少女を悼んで荒野に建てられた、小さな黒い神社。その本殿に安置された、澄んだ音色の銀色の鈴。長い間ぽつんとあった鈴の脇に、今は錆び付いたクナイが寄り添うように置かれている。
月のない空の下、黒い神社の屋根に座る二つの影。明かりはどこにもないのに、その影だけははっきりと見えた。

月守神社の物語 ~第六話~
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